森林率は高知84%、奈良約77%
高知県は森林面積率を84%、奈良県の木育資料は約77%、面積にして約28万4千ヘクタールを森林として紹介している。どちらも県土の大半を森林が占める。ただし、資料の公表時点や算定条件はそろっておらず、この数字で木材生産量や製材業の規模を比べることはできない。
高知県が県産材の例として挙げるのは、馬路村の魚梁瀬スギ、嶺北のスギ、四万十川流域のヒノキなどだ。「土佐材」の中にも、樹種や産地による違いがある。
高知では、乾燥や品質管理を経て使い手へ
高知県は、原木生産を増やし、加工、流通、販売までつなぐことを林業の方針にしている。県の紹介では、木材乾燥や品質管理に取り組む中で、都市部の使い手と産地の交流が生まれたという。
木材を届けるには、伐った後にも仕事が続く。乾燥させて品質を整え、使い手につなぐ工程だ。広い森林はその資源的な背景になるが、すべての森が伐採の対象になるわけではなく、利用は林地や樹種、管理の条件による。
吉野では、密に植え、間伐を重ね、長く育てる
奈良県の資料は、吉野林業の特徴を「密植・多間伐・長伐期」と説明している。通常より密に木を植え、成長に合わせて何度も間伐し、長い期間をかけて育てる方法だ。吉野スギや吉野ヒノキの材質を整えるために、何世代にもわたって手を入れてきた。
県の木育資料が吉野の主な地域として挙げるのは、川上村、東吉野村、黒滝村。ここで紹介される育て方が、奈良県の森林すべてに当てはまるわけではない。
高知の取り組みでは、乾燥や品質管理を経て木材を使い手へ届ける仕事が見える。吉野の育林では、使われるずっと前から材質を整える仕事が見える。森の面積に加え、一本の木を育てて使うまでの時間と工程が、産地の特徴を伝えている。